教員歴10年を超え、Google認定教育者・Apple Teacherの資格を取得し、ICTを活用した授業を実践したり、活用してみたい先生方の相談に乗ったりしてきました。
ICTを活用する上で、このような悩みを抱えていらっしゃる方は多いと思います。
- 生徒30〜40人と少しでも対話的な授業がしたい
- 生徒の匿名性を確保したまま、理解状況をリアルタイムで把握したい
- 授業でICTを活用したいけど、生徒にスマホやタブレットを使わせられない・使わせづらい
一方的な講義型ではなく、生徒の考えや答えを確認しながら授業をしたいけど、年齢や問いによっては挙手はさせづらいし、生徒一人ひとりにスマホやタブレットを使わせていると時間がかかりますよね。
そこで今回は、生徒がスマホやタブレットを使うことなく、生徒の回答をリアルタイムに集計・グラフ化できるWebサービス “Plickers” (プリッカーズ)について解説したいと思います。
Plickersってどんなサービス?
「クリッカー」はご存じですか?
クリッカーとは、授業などを双方向・対話型にするために、生徒から問題・アンケートの回答をリアルタイムに収集できる道具です。
クリッカーは、対話型の授業をする上でとても便利です。
- 生徒の回答がリアルタイムに集計・グラフ化できる
- 瞬時に結果が分かり、授業への参加度が高まる
- 教師は、生徒の理解度を確認しながら授業を進められる
ただ、クリッカーの機器を揃えるのは、予算・場所的に大変。
生徒がスマホやタブレットなどを使えるのであれば、これらを活用する方法もアリです。
でも、
- 生徒がデバイスの準備をするのに手間取って時間がかかる…
- 生徒のデバイストラブルの対処は自信がない…
- 教師のPCとスマホだけで気軽にできるものがあれば…
もっと楽に生徒の回答を収集できたら嬉しいですよね?
そんな時は「紙」を使いましょう!
生徒が使うのは紙だけ!紙版クリッカーの “Plickers”
“Plickers” は、生徒に持たせたQRシートを、教師がスマホなどのカメラでスキャンすることによって、生徒の回答をリアルタイムに集計・グラフ化することができるWebサービスです。
“Paper” を使う “Clicker” 、それが “Plickers“ (プリッカーズ)なんです。
Plickersでやること
Plickersの流れは以下の通りです。
- 事前にクラス・問題のデータを作成しておく
- QRコードが印刷された紙(QRシート)を生徒に配布する
- 教師のスマホで生徒のQRシートを読み取る
- 生徒の回答が自動的に集計・グラフ化される
ここからは、Plickersのメリット&デメリット、そして実際の活用方法について見ていきましょう。
Plickersのメリット&デメリット
メリット
教師は「問題の作成」「QRシートの読み取り」といった数個の作業で利用できます。
生徒がやることは、QRシートを教師の方に向けてかざすだけ!
数十秒〜1分程度で全生徒の回答が集計・グラフ化されるので、
「80%の生徒が理解しているな」「同じようなミスをしている生徒が多いぞ」
といったことを確認して、授業の方向性を修正することができます。
デメリット
Webサービスなので、当然ながらインターネットがつながっていないと使えません。
出題できる問題は、1〜4つの選択肢から1つを選ぶ4択問題のみ。
複数選択問題や記述問題を使いたい場合は、別のサービス利用を検討しましょう。
Plickersに必要なもの6選
必要なものはこちら
- Plickers アカウント
- インターネット接続されたPC・タブレット
- スクリーン
- 2・3の接続機器
- スマホ(カメラ用デバイス)+Plickersアプリ
- QRシート(生徒数分)
Plickersの準備方法
準備方法はこの5ステップです。
- アカウントを作る
- クラスを作る
- 問題を作る
- キューに入れる
- QRシートを作る
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
Plickersを授業で使う流れ
授業前
- PCとスクリーンを接続し、Plickersを起動する
- 生徒にQRシートを配布する
- スマホのPlickersアプリを起動する
授業中
- PCで問題を提示する
- 生徒のQRシートをスマホで読み取る
- 集計結果をスクリーンで表示する
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
Plickersの回答データの活用方法
Plickersでは、授業終了後、以下のデータを参照することができます。
- 問題全体の正答率
- 各設問の正答率
- 各生徒の正答率
- 各生徒の回答
データの内容や確認方法について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
Plickersを使って気軽に対話的授業をしてみましょう!
ICTの活用は、授業改善を目的とした「手段」です。
一方的な講義型授業ではなく、生徒の考えや答えを確認しながら、対話的に授業をしたい。
でも大掛かりな準備をする時間やスキルがない。
そんな教師の皆さんにとって、気軽にICTに慣れるための「はじめの一歩」としてオススメのWebサービスです。
ぜひ活用してみて、授業の様子や生徒の反応、良かった点や困った点などを教えていただけると嬉しいです。
それでは、また!