こんにちは、カイです。
教員歴10年を超え、Google認定教育者・Apple Teacherの資格を取得し、職場で生徒にICTを活用させたり、先生方の相談に乗ったりしてきました。
このブログでは、授業で気軽に使えるICTサービスの1つとして、 “Plickers” (プリッカーズ)を紹介しています。
“Plickers” はどんなサービスかについては、こちらで解説しています。
過去の記事では、Plickersの準備方法・授業での利用方法を解説しました。
授業が終わった後、こんなことを思うときはありませんか?
- 結局、授業の全体的な理解度はどれくらいだったのか把握したい…
- 特につまづいている問題がわかれば、次の授業でフィードバックできるのに…
- 誰がどれくらい正解だったのか、どこを間違っていたのかを確認したい…
Plickersを授業で利用していれば、生徒の回答データが蓄積され、授業が終わった後でも確認・分析が行えるんです!
この記事では、授業での活用後、以下のような正答率データを確認・分析する方法について解説したいと思います。
- 問題セット全体の正答率
- 各設問の正答率
- 各生徒の正答率
- 各生徒の回答
この記事を読めば、Plickersを授業で活用した後に、生徒一人ひとりの理解状況や、自分の授業の振り返り、次の授業に向けた改善点の発見につながる分析をすることができるようになります。
2種類の確認方法
Plickersでは、大きく2種類の分析データ確認方法があります。
トップページ(Your Library)の左サイドバーから、下の2つのうち、目的に合わせてどちらかを選びましょう。
メニュー | 目的 | |
① | Reports (レポート) | 1つの問題セット内の各正答率(問題セット全体・各生徒・各設問)の確認 |
② | Scoresheet… (スコアシート) | 一定期間内の生徒の回答状況の照合・一覧・分析 CSVデータ(Excel・Googleスプレッドシート)のダウンロード |
Reports(レポート)
まずは「Reports(レポート)」で確認できる内容を見ていきます。
問題セットの選択
左サイドバーの中から「Reports」を選ぶと、今までの授業で実施した問題セットが、一番最近実施したものから順に表示されます。
表示されたものの中から、データを確認したい問題セットを選択します。
問題セットの分析
問題セットを選ぶと、以下のような画面が表示されます。
①問題セット全体の正答率
「この問題セットに含まれる全ての設問に対して、生徒がどれくらい正答できたのか」の割合が確認できます。
この数値が高ければ、クラス全体の理解度が高いと言うことができます。
②各生徒の正答率
「この問題セットに含まれる全ての設問に対して、それぞれの生徒がどれくらい正答できたのか」の割合が確認できます。
正答率が50%より高い生徒は緑色、50%以下の生徒は赤色で表示されます。
(欠席の生徒は「Abs.」と表示されます)
③各設問の正答率
「1つの設問に対して、生徒がどれくらい正答できたのか」の割合が確認できます。
各生徒の正答率と同様に、正答率が50%より高い生徒は緑色、50%以下の生徒は赤色で表示されます。
この数値を見れば、問題の難易度や生徒の理解度を確認して、次の授業で補足するべきか、さらに応用的な内容を伝えるべきか、などを考える資料になります。
定期考査に含める問題の難易度調整にも活用できますね!
各設問の分析
「各設問の正答率」で表示されているスライドを選択すると、誰がどの選択肢を選んだのかを確認することができます。
①設問の正答率
「問題セットの分析」で表示されていた「各設問の正答率」と同じ数値です。
②生徒の回答状況
誰がどの選択肢を選んだのかが表示されます。
私は、難易度が低い問題で間違えた生徒や、難易度が高い問題で正解できた生徒を確認し、その生徒に応じた支援を検討するときなどに活用しています。
Scoresheet(スコアシート)
もう1つのデータ確認方法「Scoresheet…(スコアシート)」では、一定期間内の生徒の回答状況を、スプレッドシート形式で確認できます。
分析クラスの選択
左サイドバーの中から「Scoresheet…」を選ぶと、下のような画面が表示されます。
左サイドバーにクラスが表示されるので、分析したいクラスを選びます。
分析期間の選択
クラスを選んだ後は、分析期間を2つのステップで選択します。
①期間の設定
画面上部のメニューから、スプレッドシートに表示したい期間を選択します。
「Day(1日)」「Week(1週間)」「Month(1ヶ月)」の3つのうちから選びましょう。
比較検討をしたいのであれば、「Week」か「Month」を選ぶと良いと思います。
「90-Days(90日間)」「Custom(自由設定)」は、有料プラン「Plickers Pro」を利用している場合のみ選択できます。
②授業実施期間の選択
画面左下のカレンダーを見ると、「①期間の設定」で選択した期間分だけ、青色で表示されていると思います。
このカレンダーから、分析したい授業が含まれている期間を選択します。
授業を実施した日は、薄い黄色で表示されているので、青色の表示期間が黄色い日を含むように選択してください。
スプレッドシートの分析
分析期間を正しく設定すると、その期間に実施した内容の生徒の回答状況が、スプレッドシート形式で表示されます。
確認できる情報は以下の通り。
- 問題セット全体の正答率
- 各生徒の分析期間全体の正答率
- 各生徒が回答した選択肢
- 各設問の正答率
レポートと同じような情報が載っていますが、一覧性が高いので、私はレポートよりスコアシートの方が便利だと感じています。
その他のオプション
画面右上には、便利なオプションが用意されているので、ぜひ活用してみてください。
Students Reports
「Student Reports」では、生徒個人向けの回答結果レポートが表示されます。
このレポートを印刷して配布するなど、生徒へのフィードバック・復習に活用できます。
Export Data to CSV
アップロードマークのアイコン「Export Data to CSV」をクリックすると、CSVファイルをダウンロードできます。
CSVファイルは、ExcelやGoogleスプレッドシートで詳細な分析やデータの保管をするのに活用できます。
その他
3点メニュー「…」をクリックすると、表示方法の変更ができます。
「STUDENT LIST OPTIONS」では、生徒の順番を「Card Numbers(QRシート順)」「Last Names(名字順)」のいずれで表示するか選択できるので、自分が使いやすい方を選択すると良いでしょう。
まとめ
この記事では、Plickersに記録された生徒の回答データの確認方法について解説しました。
Plickersのデータを活用することは、さまざまなメリットがあります。
- 授業全体の理解度を把握することができる
- 授業の中で全体的につまづいているところを把握することができる
- 個別の生徒の指導・支援に役立てることができる
- 自分の授業を客観的に振り返り、次の授業の改善に繋げることができる
今回の記事を参考にして、ICTを活用した授業改善や学びの個別化に、Plickersを活用してみてください。
それでは、また!